低体温は治らないのか?

SNSを見ていると意外と多い低体温の方。

特に自覚症状が無い方もいれば、朝起きられないや手足が冷たいなどでお困りのパターンも。

そもそも低体温症とは明確な定義が無く、一般的には35℃台の場合が当てはまるそうです。

それ自体は病気ではないのですが、そのままにしておくと様々な不調が起こる可能性があります。


よく言われているのが、体温が1℃下がると免疫力が30%下がり

基礎代謝が12~13%下がるということ。

つまり低体温症の方は

・太りやすい

・疲れやすい

・手足が冷たい

・風邪をひきやすい

・ウィルスへの防御力や反応スピードが鈍い

という傾向があると言えます。


あ!

大事なことを言い忘れてました。

低体温とは深部体温が下がってしまっている状態を言います。

深部体温とはその名の通り体の中、内臓など体の内部の温度です。

内臓や脳の働きを正常に保つために必要な温度なので、この温度が低いと体の正常な

機能が維持できなくなってしまいます。

実際に測ることは不可能ですが、目安として体温計で測った値より0.5~1℃高い値です。

なので、平熱が36.5℃の人の深部体温は37~38℃くらい。

だから低体温の方は当然深部体温も低いわけです。



低体温の原因は?


低体温になる原因は様々。

・運動不足や加齢による筋肉量の低下

・ストレスによる自律神経の乱れ

・過度なダイエットによるホルモンバランスの乱れ

・貧血

・毎日シャワーで済ます

・冷暖房に慣れて体温調節機能がうまく働かない

・食生活

などが影響しています。

じゃあ具体的にどうしたら低体温は改善できるのかを漢方的なアプローチで解説します。




低体温を改善するには?


結論から言うと、五臓六腑がきちんと働いて「気」「血」の流れがスムーズなら

健康体であり正常な体温に戻ります。

「気」とはカラダの中を巡るエネルギーで「血」とは血液のことです。

んでもって「気」「血」の流れをスムーズにするために必要なのは適度な運動。

ググればすぐにヒットするような当たり前の事ですが大事ですね。


運動してるのに改善されないよって方はその前の段階かもしれません。

どういうことかと言うと、スムーズにするほどの「気」や「血」が無いという場合です。

元々の「気」や「血」の量が足りなければいくら運動したところで

体の隅々まで届きませんからね。

なのでその場合にはまず「気」「血」を十分に作り出さなくちゃいけません。


「気」をつくるには以下のような食材を多めに摂りましょう。

えび・ニラ・生姜・鶏肉・ジビエ・ネギ・鮭

「血」をつくるには

レバー・黒豆・ひじき・マグロ・黒ゴマ・クコの実・きくらげ

などを多めに摂ると良いでしょう。


いや、それでも改善しないんだけど!という方は次のような心当たりはありませんか?

「胃腸を冷やしてしまっている」

実はコレが低体温には一番ダメなことなんです。

漢方では胃腸は食べ物から「熱」を作り出す場所という位置づけなので

胃腸を冷やしたり負担をかけると働きが落ちて「熱」を作り出せなくなってしまうんです。


胃腸の働きが落ちると、上で述べたような「気」「血」を補う食材を摂っても全く意味がなくなってしまいます。


生野菜サラダ、刺身、キンキンに冷えたビールなどは特に胃腸を冷やすし

ヨーグルトや牛乳などの乳製品は胃腸に負担をかけるので

低体温でお悩みの方は、これらは毎日食べるのは避けましょう。

全く食べてはいけないという事ではないので誤解なさらぬように。


緑茶やコーヒーも体を冷やす性質を持っているので、どうしても飲みたい時には

ホットで飲むようにしましょう。

逆に烏龍茶や紅茶は体を温めるので積極的に摂ると良いですね。


他に漢方的な対策としては首、手首、腰、足首、膝を冷やさない事です。

関節部分は「寒気」が侵入しやすい場所で冷えやすいので注意してください。

特に足首とヒザなどの下半身を冷やしてしまうと、なかなか温まりにくい体になってしまうので意識的に温めてあげましょう。


低体温は今日明日で治るものではありませんので、途中で諦めてしまう方も多いかもしれませんが、これらを実践することで必ず改善できますので続けてみましょう。


補助的にサプリメントを摂取するなら牡蠣肉エキスやマルチビタミン&ミネラルのようなものをオススメします。


余談ですが


私の知合いでバリバリのランナーの方がいまして、その方もいわゆる低体温なのですが

特に自覚症状は無いらしいのです。

ただ、低体温を改善することでもっとパフォーマンスがアップするのではないかと考えてらっしゃるので、今回このブログを書くに至りました。


マラソンも何か漢方的なアプローチが出来ないものかと考えていたところ

ちょっと面白いアプローチをしている方がいました。

ピーキングは未病を治すのと一緒だと。

ふんふん、なるほど。


ピーキングとはマラソンに限らずスポーツにおいて本番で最高のパフォーマンスを発揮出来る状態に整えていくことを言います。

未病とはまだ病気にはなっていないが、病気に至る兆しがある状態。


この2つの何がイコールなのか。


例えば

・毎回足が痙攣してしまう傾向にある人はカリウムや鉄分を日頃から摂る

・脱水気味になってしまう人ならもっと水分を蓄えられる体質に変えていく

・エネルギー不足で最後まで走れないとい人ならもっとカロリーを摂れるような食事にしてキチンと消化できるように胃腸の働きを高める

といった具合に予め起こり得る症状に対して先手を打ちその芽を摘んでしまおうという考え。


たしかにマラソンの走る前と後では血液中の色々な値が変化するわけだから

少しでもそれを抑えられるような準備が必要になってきます。


とある文献ではレース前後で血液中の値が下がるものは中性脂肪、血糖値、カリウムなどですが、興味深いのは平常時のヘモグロビン濃度の高い順に成績も良い傾向があるという結果でした。酸素を筋肉に運ぶ役割を担っているんだから当たり前といえばそうかもしれません。


となってくるとやはり「血」は大事なんだとお分かりいただけるかと思います。

「血」を作り出す食材を多く摂ることが大事で

そしてその前にその食べ物を十分に消化して熱に変えられるだけの胃腸が大事なんです。


なんだか全てが繋がりましたね。

山下薬局~YamaP~

創業元禄16年 須坂市で唯一漢方調剤が出来る薬局です。漢方薬をもっと身近に感じてもらいたい!という想いから「薬膳カレースパイス」・「信州須坂村山早生ごぼう茶」・「薬膳茶」などオリジナル商品を多数販売しております。 「未病を防ぐ」ための情報も発信中です。 https://lit.link/yamaP